鳥取県米子市車尾南1丁目15番48号
Facebook アクセス お問い合わせ
0859-30-3456
0859-30-3456
アクセス お問い合わせ

Dr.YUBIのもしもしクリニック開院中17

今のままでいて


今年の三が日は寒かった。特に夜間の冷え込みはひどく、エアコンをかけても足の先が冷たくて眠れないほどだった。冷え症の私にはかなりこたえた。
こんな時、田本家ではぷくぷくお肉の一護の横に潜り込むのがベストだ。添い寝をしているととても暖かい。しばらく抱きついていると、眠りにつくまで自然とおしゃべりになる。「いっちゃん、大きくなったら何になりたい?」「いっちゃんね~、悟空になりたい」ドラゴンボールの大ファンの一護らしい答えだ。子どもだなとつくづく思う。「いっちゃんが大人になったら、パパはおじいさんだね」私が言うと、さっきまで上機嫌だった一護は急にだまり、ついには泣き出してしまった。いきなりどうしたのだろう。
泣きながら抱きついてくる一護は、涙ながらにこう言ってきた。「パパはずっと今のままでいて。おじいさんにならないで」
いつもはこんなことを言って泣くような子ではない。ふと思い返してみると、少し前に渡しの母が仏壇の前で、亡くなった祖父の話を一護にしていた。きっとそれを思い出したのだろう。私がおじいさんになって死んでしまうのを想像し、泣き出したのだ。3歳でもいろいろ分かっていて、感じているんだなぁ。
しみじみ考えていると、突然、股間に激痛が走った。6歳の怜紋がベットにダイブしてきたのだ。せっかく感傷にひたっていたのに、一気に現実に引き戻された。涙が出たが、痛みのせいなのか一護につられたせいなのかはハッキリしなかった。
「何おしゃべりしているの?」怜紋は、私と一護がおしゃべりをしているのがうらやましかったようだ。私は二人を抱き寄せて少しおしゃべりをし、そしてそのまま眠ってしまった。
眠りにつく間際に一護がささやいた一言が夢の中でこだましていた。「パパがおじいさんになるなら、いっちゃんは3歳のままでいいからね」とても温かい夜だった。

2015年1月17日 日本海新聞掲載

s17


PAGETOP